新潟県妙高市の工業団地内に設計した、産業用機械の最終組み立て工場です。工場としての機能だけでなく、この地に初進出する首都圏の会社の工場としての外観と、新製品発表などにも使える工場らしくないデザインを求められました。雪の積雪荷重に耐えながら、工場内は出来るだけ自由なレイアウトとするため、建物外周部に柱を設け、内側は無柱とし、ホイストクレーンが自由に動き回れるようにしています。また、限られたコストの中で豪雪に対する工夫として、メインの外壁材にはガルバリウム鋼板の角波板としながら、下を向くよう斜めに用いることで、積もった雪に接しにくくしています。また外壁の下部はコンクリート打ち放しとして除雪作業による外壁の損傷を避ける工夫をしています。

コストを抑えつつスッキリとしたインテリアとするために、
鉄骨の塗装部位と塗色を吟味しています。
上部がガルバリウム鋼板の外壁。
サッシはFIXとしてビル用サッシを転用しています。
柱は垂直です。補助材によって外壁の傾斜を作り出し、
雪の荷重を受けても問題のない構造としています。

縦状のスリット窓は工場としては明るい作業環境にも貢献しています。

背景は妙高山

初期案の一つ(CG)
当初は2層構造として半完成品を上階に保管することを検討しました
積雪時のアクセスのためトンネル状のエントランスを試みました(CG)
除雪のしにくさや道路の除雪時にエントランスが塞がれるなどが懸念されました
工場増設時の検討案(CG)
積雪から建物を守るため軒を大きく張り出すデザインに転換した案(CG)
軒の張り出しを大きく取りながら実施案に近づいた案(CG)
この案では柱を斜めにしていますが、
実施案では雪の荷重を受けとめるのに有利な垂直な柱とし、
軒の先端から壁の下端に向かって斜めの壁を設けるデザインとしました。
また、最終案では降雪時の風向きを考慮して、
建物をCG上の右側駐車場部分に移しエントランスも反対側に設けています

用途:機械組立て工場
イツミ製作所HP
構造:鉄骨造
規模:地上1階
竣工:2007/10
設計監理
(意匠・設備)
インテリアデザイン
栽花建築設計事務所
東森香織 永田雅敬

構造設計
池田建築設計事務所
池田竣 ひばり野誠

施工
谷村建設
HP


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